婦人科豆知識

子宮筋腫と妊娠・出産

子宮筋腫は30代以降に増加する疾患ですが、最近は妊娠を希望する女性の年齢が高くなる傾向があるため、子宮筋腫が妊娠・出産に与える影響が問題になっています。

子宮筋腫があると妊娠しにくい?

不妊症の中の1~2%が子宮筋腫によるものと考えられています。子宮筋腫の中でも、子宮内腔に突出する粘膜下筋腫は、受精卵が子宮に着床する際の障害になります。粘膜下筋腫を切除すると妊娠率が改善することがわかっています。筋層内筋腫や漿膜下筋腫の場合は、それが不妊症の原因になっているかどうかの判断はとても難しく、治療として子宮筋腫を切除すべきかどうかは個別に考えていくことになります。

子宮筋腫と流産の関連についても、子宮筋腫の位置や大きさによって異なるので、一概には言えません。子宮の外にある漿膜下筋腫の場合は流産率には影響しないと言われています。

子宮筋腫をもったまま妊娠したら?

イラスト図

子宮筋腫をもったまま妊娠した場合は、妊娠中に子宮筋腫が増大して痛みが出ることがあり、場合によっては入院治療が必要になります。そのほか、早産、胎児の発育不良や胎位の異常、前値胎盤や常位胎盤早期剥離などの周産期合併症が増加する傾向があります。さらに出産の際は、子宮筋腫のために分娩の進行が妨げられ、結果的に帝王切開になる確率が高くなります。出産時の出血が多くなったり、胎盤の一部が子宮内に残ったりすることもあります。

子宮筋腫をとってから妊娠すれば安心?

子宮筋腫核出術を行った場合、その後の妊娠・出産時に子宮の創部が破れる可能性が指摘されています(子宮破裂)。子宮筋腫は大きさや位置が人によって全く異なるので、危険性を評価することは難しいのですが、出産の際は子宮への負担があまり大きくならないよう、早めに帝王切開の判断をするのが一般的です。

また子宮筋腫核出術後の創部付近で胎盤が子宮の壁の深い層まで入ってしまう可能性や(癒着胎盤)、出産後の出血が通常より多くなる可能性なども指摘されています。

子宮筋腫核出術を行った場合は、創部が十分に治癒するまで、通常6ヶ月程度は妊娠を控えた方がよいでしょう。