婦人科豆知識

妊娠

妊娠週数の数え方

妊娠の週日は最終月経から起算して満で表現し、妊娠月数は数えで表現します。28日周期の場合は、予定の月経が来るはずだった日が「4週0日」、出産予定日が「40週0日」になります(図)。

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ただし、これは月経開始後14日目に排卵が起こった場合を前提にしているので、月経周期が長い場合や月経が不規則な場合は、基礎体温や胎児の発育を見ながら修正することがあります。妊娠第3ヶ月頃が、胎児の大きさに誤差が少ないので、この頃に週数や予定日を確認・決定することが一般的です。

妊娠かなと思ったら

妊娠かなと思ったら、まず妊娠検査薬で尿の検査をしてみましょう。市販の検査薬でも十分な感度がありますので、妊娠第2ヶ月の前半には陽性になります。妊娠がわかったら、6~7週までには受診しましょう。この時期には異所性妊娠(子宮外妊娠)や流産の可能性がないかどうかを確認しておく必要があります。正常な経過であれば、妊娠5週頃には子宮内に胎児の入っている袋(胎嚢)が確認でき、妊娠6週頃には胎児心拍が確認できます。

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妊娠を考え始めたら葉酸をとりましょう

妊娠前~妊娠初期の葉酸摂取が、児の神経管閉鎖障害(脊椎などの癒合が不完全になり様々な程度の神経障害が起こる病態)の発症リスクが低くなることがわかっています。妊娠を考え始めたら、市販のサプリメントで葉酸を1日0.4mg摂取することをお勧めします。葉酸のサプリメントは色々ありますので、薬局で妊娠を希望していることを伝え、薬剤師のアドバイスを受けるとよいでしょう。

その他に気を付けてほしいこと

妊娠を希望している場合には、薬剤の使用やX線検査の施行に注意しましょう。胎児の身体は妊娠しているかどうかまだ確認していない頃から作られ始めています(器官形成期)。よく使われる薬剤や単純X線検査は胎児の発育に影響することはほとんどありませんが、妊婦さんの中には、妊娠と気づかずに薬を飲んでしまったことをとても心配する方も少なくありません。薬剤の使用やX線検査を行う場合には、妊娠を希望していることを伝え、安全を確認してから行うことをお勧めします。

※当院では妊娠の診断は行っておりますが、妊婦健診は行っておりません。
正常な妊娠を確認した後、健診・出産される病院にご紹介いたします。